MIND GRID

世界の研究論文を、
日本語で読み解く。

心理学・行動科学を中心に、 海外の研究論文から研究方法・結果・限界を抽出し、 原論文に忠実な形で分かりやすく整理します。

NEW RESEARCH

新着研究

研究一覧を見る →
臨床心理学 2026 全文解析

「人間であることの最も基本的なものを奪われた」:PSSDの生きられた経験と影響

英国でPSSD(SSRIなどの服用中止後も続く性機能の問題)を経験する成人10人に半構造化インタビューを行い、その体験を解釈的現象学的分析で調べた研究。参加者は、医療者から十分な説明を受けなかったことや訴えを否定・軽視されたことによる不信感、感情や自己同一性の変化、恋愛・家族・友人関係や将来への喪失感を語った。一方で、本人の経験を認めて話を聴く専門家、心理療法、日課や運動、PSSD当事者コミュニティからの支援が助けになる場合も示された。

対象: 10人。インタビュー時間は約28~86分。
教育・学習心理学 2026 全文解析

医学教育におけるゲーミフィケーションは学習成績を高めるのか:生理学のチーム基盤型学習を用いた準実験的クロスオーバー研究

250人の1年次医学部生を対象に、生理学のチーム基盤型学習(TBL)で、通常形式とゲーム要素を加えたグループ準備確認テスト(GRAT)を比較した。個人準備確認テスト(IRAT)と応用演習(AE)の絶対的な成績には、形式間で有意差がみられなかった。一方、内分泌学では、通常形式でIRATからAEへの成績低下が有意であったのに対し、ゲーミフィケーション形式では低下が有意ではなかった。ただし、この学習軌跡の差は探索的で小さく、ゲーミフィケーションが学習成績を改善したと確定するものではない。学生の反応は概ね肯定的で、エンゲージメントやチームワークが評価された一方、時間的プレッシャーをストレスと感じる回答もあった。

対象: 250人(Group A 125人、Group B 125人)。チームは全40チームで、各形式20チーム。
社会心理学 2026 全文解析

日本人医学生を対象とした社会的共感指数の異文化間妥当性検証:心理測定学的研究

日本語版ソーシャル・エンパシー・インデックス(SEI-J)が、日本人医学生の社会的共感を測定する尺度としてどの程度妥当で信頼できるかを検証した研究。230人の回答を分析した結果、元の7因子構造は完全には再現されなかったものの、社会的共感が複数の関連領域から成るという構造はおおむね支持された。下位尺度のMcDonaldのω係数は0.75~0.91で、内的一貫性は許容範囲から高水準だった。女性、ボランティア経験者、留学経験者、芸術・文学への関心が高い学生、人志向の診療科を希望する学生、社会的決定要因への自己評価上の理解が高い学生で、SEI-J得点が高かった。ただし横断研究であり、これらの要因が社会的共感を高める因果関係を示すものではない。

対象: 414人に調査票を配布し、279人が回答(回答率67.4%)。欠測またはSEI-Jの全項目で同一回答を選択した49人を除外し、230人(全対象の55.6%)を最終分析に含めた。
産業・組織心理学 2026 全文解析

脆弱な能力を navigatеする:自殺過程にある患者との出会いの意味を救急隊員の視点から探る

スウェーデンの救急隊員18人へのナラティブ・インタビューを分析し、自殺過程にある患者への対応が、従来の技術的・手順中心の職業能力を大きく揺さぶることを示した。参加者は、何をすべきか判断できず無力感を抱く一方で、患者のそばにとどまり、話を聴き、人間同士のつながりを築くことに臨床的・倫理的な意味を見いだしていた。著者らは、こうした迷いや無力感を能力不足ではなく道徳的感受性の表れとして解釈し、救急医療に対人スキルと実存的ケアを組み込む必要性を論じている。

対象: 18人(男性11人、女性7人)。年齢27~62歳、救急業務経験3~33年。救急医療技術者2人、正看護師4人、専門看護師教育を受けた正看護師12人。うち3人は精神科医療の経験があった。インタビュー時間は
臨床心理学 2026 全文解析

重度の自傷行為をする人の家族・近親者が経験する医療との関わり――「私たちが最もよく知っている」

ノルウェーで、重度の自傷行為をする成人を支えてきた親、パートナー、きょうだい15人にインタビューし、医療サービスとの関わりを分析した。参加者は、医療に頼らざるを得ない一方で、本人の状態を長年見てきた自分たちの知識が十分に聞き入れられず、感情的・過干渉とみなされて関与を妨げられる経験を語った。また、本人だけでなく家族自身の疲労や不安、支援ニーズも見過ごされやすいと感じていた。研究は、家族の医療参加には情報提供だけでなく、経験知を信頼できる知識として扱い、家族自身を支援の対象として認識することが関係すると論じている。

対象: 15人。12人は2回インタビューを受け、3人は実務上の事情により初回のみだった。1組の親は初回・追跡ともに同席で参加した。
FULL TEXT

全文から読み解いた研究

FULL TEXT ANALYSIS
臨床心理学

「人間であることの最も基本的なものを奪われた」:PSSDの生きられた経験と影響

英国でPSSD(SSRIなどの服用中止後も続く性機能の問題)を経験する成人10人に半構造化インタビューを行い、その体験を解釈的現象学的分析で調べた研究。参加者は、医療者から十分な説明を受けなかったことや訴えを否定・軽視されたことによる不信感、感情や自己同一性の変化、恋愛・家族・友人関係や将来への喪失感を語った。一方で、本人の経験を認めて話を聴く専門家、心理療法、日課や運動、PSSD当事者コミュニティからの支援が助けになる場合も示された。

FULL TEXT ANALYSIS
教育・学習心理学

医学教育におけるゲーミフィケーションは学習成績を高めるのか:生理学のチーム基盤型学習を用いた準実験的クロスオーバー研究

250人の1年次医学部生を対象に、生理学のチーム基盤型学習(TBL)で、通常形式とゲーム要素を加えたグループ準備確認テスト(GRAT)を比較した。個人準備確認テスト(IRAT)と応用演習(AE)の絶対的な成績には、形式間で有意差がみられなかった。一方、内分泌学では、通常形式でIRATからAEへの成績低下が有意であったのに対し、ゲーミフィケーション形式では低下が有意ではなかった。ただし、この学習軌跡の差は探索的で小さく、ゲーミフィケーションが学習成績を改善したと確定するものではない。学生の反応は概ね肯定的で、エンゲージメントやチームワークが評価された一方、時間的プレッシャーをストレスと感じる回答もあった。

FULL TEXT ANALYSIS
社会心理学

日本人医学生を対象とした社会的共感指数の異文化間妥当性検証:心理測定学的研究

日本語版ソーシャル・エンパシー・インデックス(SEI-J)が、日本人医学生の社会的共感を測定する尺度としてどの程度妥当で信頼できるかを検証した研究。230人の回答を分析した結果、元の7因子構造は完全には再現されなかったものの、社会的共感が複数の関連領域から成るという構造はおおむね支持された。下位尺度のMcDonaldのω係数は0.75~0.91で、内的一貫性は許容範囲から高水準だった。女性、ボランティア経験者、留学経験者、芸術・文学への関心が高い学生、人志向の診療科を希望する学生、社会的決定要因への自己評価上の理解が高い学生で、SEI-J得点が高かった。ただし横断研究であり、これらの要因が社会的共感を高める因果関係を示すものではない。

CATEGORIES

分野から研究を探す

FEATURED

注目の研究

TOPICS

キーワードから探す