2026
全文解析
日本語版ソーシャル・エンパシー・インデックス(SEI-J)が、日本人医学生の社会的共感を測定する尺度としてどの程度妥当で信頼できるかを検証した研究。230人の回答を分析した結果、元の7因子構造は完全には再現されなかったものの、社会的共感が複数の関連領域から成るという構造はおおむね支持された。下位尺度のMcDonaldのω係数は0.75~0.91で、内的一貫性は許容範囲から高水準だった。女性、ボランティア経験者、留学経験者、芸術・文学への関心が高い学生、人志向の診療科を希望する学生、社会的決定要因への自己評価上の理解が高い学生で、SEI-J得点が高かった。ただし横断研究であり、これらの要因が社会的共感を高める因果関係を示すものではない。
2026
Abstract解析
南アフリカのソウェトに暮らす黒人女性がCOVID-19パンデミックをどのように経験したかを、個人、対人関係、地域、社会という複数のレベルから検討した質的研究。女性たちは感染、暴力、孤立、経済的困難への不安を抱えながら家族や地域を支えた。一方、COVID-19に関連するスティグマは人々のつながりを損ない、政府機関への不信の強まりはワクチン忌避と関連していた。
2026
全文解析
マカオの地域で暮らす脳卒中サバイバーへのインタビュー記録を二次分析し、脳卒中後の孤独がどのように経験されるのかを検討した研究。20人分の記録から、孤独は社会的な所属からの断絶、親しい人とのつながりの不足、方向性・希望・人生の意味の喪失という3つのテーマに整理された。孤独は単に一人でいることや交流の減少ではなく、身体機能、周囲の理解、社会への包摂、自己価値や人生の目的が相互に関連する複雑な経験として示された。
2026
Abstract解析
本解説論文は、サハラ以南アフリカで見過ごされがちな不妊関連スティグマについて、既存のエビデンスを統合して検討した。スティグマは個人の態度だけでなく、社会規範や社会構造に根ざした多層的な問題であり、個人やカップルが性的・生殖に関する権利を行使することを妨げうると論じている。そのうえで、社会関係の再形成、規範の変化、個人・カップルのエンパワーメントを目指す社会・行動変容アプローチの枠組みを示している。
2026
Abstract解析
低・中所得国では、社会規範が青年の機会や人生の軌道に影響する。サブサハラ・アフリカと南アジアを対象に、信仰指導者や信仰に基づく活動家などの「信仰関係者」が、少女と若い女性の健康や生活上の成果に関わる規範の変化にどのように貢献しているかを、2014~2024年の文献から検討した。17件の介入が基準を満たしたが、介入設計、信仰に関する特徴、抵抗への対応の報告には大きな不足があり、社会規範を明示的に測定した研究も少なかった。エビデンスは不足し一貫していないものの、態度・行動・規範の変化を示した介入も確認された。
2026
全文解析
グローバルヘルス、その周辺の公衆衛生、保健政策、医学における知識実践の変革を経験した研究者46人への質的インタビューをもとに、変革の取り組みを「第一 order:調整」「第二 order:改革」「第三 order:変革」の3段階に分類する枠組みを構築した。分類には、目的、問題の捉え方、変化のプロセス、参加のあり方という4つの基準を用いる。研究では、求める変化の段階は単なる個人の選択ではなく、変革を求める人々と、変えようとする制度・システムとの相互作用の中で動的に決まることが示された。
2026
Abstract解析
スウェーデンの社会サービス、医療、非政府組織の専門職へのインタビューを通じて、ホームレス状態にあり併存疾患を抱える女性の参加と共同意思決定を可能にする条件を調べた質的研究。専門職は、組織が孤立して活動し、包括的な視点や責任の引き受けが不足しているため、協働がしばしば機能していないと捉えていた。女性の声は十分に聞かれず、官僚的な言葉や専門職によるコントロールが参加を妨げていた。女性中心の柔軟な支援、事前準備、フォローアップ、個々の女性の状況を踏まえた専門職間の協働が必要だとされた。
2026
Abstract解析
本論文は、人道支援に社会科学を組み込むことが、コミュニティ参加、能力構築、地域化、そして人道支援の脱植民地化にどのように関係しうるかを検討した。国際的な人道支援実務者へのインタビューとグループ討議から、社会科学の全体論的・関係重視の方法には可能性がある一方、危機対応における迅速性や標準化された成果指標との緊張が示された。脱植民地化には参加型ツールの導入だけでなく、資源と意思決定権を地域コミュニティへ移すことが必要だと論じている。
2026
Abstract解析
南アフリカの農村地域にある新生児病棟で、小さく病気の新生児の母親と医療従事者が、尊重的で家族と協働するケアをどのように捉えているかを調べた研究。母親にとって、効果的なコミュニケーションはケアの体験を左右する基盤だった。不十分で親しみに欠ける説明や臨床上の意思決定からの排除により、協働が限られ、十分な情報に基づく同意が得られない状況が報告された。医療従事者は、過密状態、人員不足、疲労、母親が参加できる空間の不足を、尊重的・家族中心のケアを妨げる要因として挙げた。