臨床心理学
2026
全文解析
英国でPSSD(SSRIなどの服用中止後も続く性機能の問題)を経験する成人10人に半構造化インタビューを行い、その体験を解釈的現象学的分析で調べた研究。参加者は、医療者から十分な説明を受けなかったことや訴えを否定・軽視されたことによる不信感、感情や自己同一性の変化、恋愛・家族・友人関係や将来への喪失感を語った。一方で、本人の経験を認めて話を聴く専門家、心理療法、日課や運動、PSSD当事者コミュニティからの支援が助けになる場合も示された。
産業・組織心理学
2026
全文解析
スウェーデンの救急隊員18人へのナラティブ・インタビューを分析し、自殺過程にある患者への対応が、従来の技術的・手順中心の職業能力を大きく揺さぶることを示した。参加者は、何をすべきか判断できず無力感を抱く一方で、患者のそばにとどまり、話を聴き、人間同士のつながりを築くことに臨床的・倫理的な意味を見いだしていた。著者らは、こうした迷いや無力感を能力不足ではなく道徳的感受性の表れとして解釈し、救急医療に対人スキルと実存的ケアを組み込む必要性を論じている。
社会心理学
2026
全文解析
マカオの地域で暮らす脳卒中サバイバーへのインタビュー記録を二次分析し、脳卒中後の孤独がどのように経験されるのかを検討した研究。20人分の記録から、孤独は社会的な所属からの断絶、親しい人とのつながりの不足、方向性・希望・人生の意味の喪失という3つのテーマに整理された。孤独は単に一人でいることや交流の減少ではなく、身体機能、周囲の理解、社会への包摂、自己価値や人生の目的が相互に関連する複雑な経験として示された。