教育・学習心理学
2026
全文解析
250人の1年次医学部生を対象に、生理学のチーム基盤型学習(TBL)で、通常形式とゲーム要素を加えたグループ準備確認テスト(GRAT)を比較した。個人準備確認テスト(IRAT)と応用演習(AE)の絶対的な成績には、形式間で有意差がみられなかった。一方、内分泌学では、通常形式でIRATからAEへの成績低下が有意であったのに対し、ゲーミフィケーション形式では低下が有意ではなかった。ただし、この学習軌跡の差は探索的で小さく、ゲーミフィケーションが学習成績を改善したと確定するものではない。学生の反応は概ね肯定的で、エンゲージメントやチームワークが評価された一方、時間的プレッシャーをストレスと感じる回答もあった。
社会心理学
2026
全文解析
日本語版ソーシャル・エンパシー・インデックス(SEI-J)が、日本人医学生の社会的共感を測定する尺度としてどの程度妥当で信頼できるかを検証した研究。230人の回答を分析した結果、元の7因子構造は完全には再現されなかったものの、社会的共感が複数の関連領域から成るという構造はおおむね支持された。下位尺度のMcDonaldのω係数は0.75~0.91で、内的一貫性は許容範囲から高水準だった。女性、ボランティア経験者、留学経験者、芸術・文学への関心が高い学生、人志向の診療科を希望する学生、社会的決定要因への自己評価上の理解が高い学生で、SEI-J得点が高かった。ただし横断研究であり、これらの要因が社会的共感を高める因果関係を示すものではない。
産業・組織心理学
2026
全文解析
米国の研究集約型医学部で研修するフェローを対象に、修了後に同じ機関の教員になるかどうかに関連する経験や意思決定要因を調べた混合研究法研究。168人の調査では、教員職の提示・受諾に関わるグループ間で、肯定的な研修経験、メンタリング経験、アカデミック・メディシンを目指す意向に違いがみられた。24人への面接では、キャリア目標、生活上の希望、給与・福利厚生・組織資源、教員職に関するコミュニケーション、職場文化が意思決定に関わるテーマとして示された。著者らは、フェローのキャリア目標と組織のニーズを早期かつ明確にすり合わせることが、教員職に関する情報に基づく意思決定や、目標が組織と合う人材の定着に役立つ可能性を示している。ただし、観察された関連から因果関係は判断できない。
産業・組織心理学
2026
全文解析
カナダの小児医学教育リーダーを対象に、バーンアウトの程度と、全国組織PUPDOCへの所属が仕事やレジリエンスにどのように関係するかを、質問紙調査とフォーカスグループで検討した。調査では16人中3人が従来のMBIでバーンアウト高リスクに該当したが、教育環境に適応した質問では高い症状を報告した参加者はいなかった。フォーカスグループでは、コミュニティ感覚、仕事の肯定的・否定的側面、仕事の意味、機会、役割の正当性という5テーマが示された。著者らは、所属機関を越えた全国的なコミュニティがレジリエンスを支える可能性を提案しているが、本研究は小規模な混合研究であり、因果関係を証明するものではない。